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活動紹介

仲人・結婚相談業サービス標準化委員会(第2回)

日時:平成19年8月30日(木)13:00~15:00
出席者: 原口委員長、石坂委員、高本委員、田中委員、土橋委員、宮原委員、向山委員


冒頭、原口委員長より、配布された資料について説明があり、以下の論点について順次議論が行われた。委員からの主な発言は以下のとおり。


1.入会時の本人確認について

(1)独身証明書の活用について

基本的人権を擁護することの重要性を考えれば、入会希望者が独身であることを確認するための書類としては、独身証明書の利用を徹底し、戸籍の利用を禁止することを規約等で明記することはできないのか(原口委員長)。
独身証明書の正式名称は「結婚情報サービス・結婚相談業者提出用証明書」といい、独身証明書の取得を申請すると、結婚相手紹介サービスを利用するということが窓口でわかってしまい、恥ずかしいと思う人がいるのも事実。もっと別の方法で独身証明書を取得する方法は考えられないか(向山委員)。
確かに独身証明書の取得を嫌がる人は多い。そういう人は、独身証明書に代えて戸籍の提出を希望することがある。事業者が戸籍の提出を求めることは問題があり、避けるべきだと考えるが、入会希望者が任意で戸籍を提出することは認めても良いのではないか(石坂委員)。
本人ではなく、遠隔地にいる親が本人に代わって相談室に入会申し込みに来るケースは多い。その場合、親は戸籍で本人が独身であることを説明せざるを得ない。なので、戸籍の取を一切禁止するのは現実的ではない(宮原委員)。
仮に、戸籍を提出することを禁止しても、入会希望者が記入するプロフィールシートにおいて本籍地の記載を求めてしまっては、できるだけ戸籍の利用を避けようとする意味がなくなってしまうと思うが、各社のプロフィールシートに本籍地を記入する欄はあるのか(原口委員長)。

「本籍地」の記載を求めるのではなく、「出身地」や「出生地」の記載を求めてはどうか。同郷であることが、引き合わせのきっかけになったり、共通の話題になり、円滑な交際に役立つかもしれない(石坂委員)。

データマッチング型のサービスであれば、出身地に関する情報で検索することはありうるかも知れないが、仲人型のサービスは、データマッチング型のサービスとは違う。本籍地情報は必要だ(向山委員)。

本籍地を書くことがなぜいけないのか。仲人というのは昔から本籍地を聞いてきた。転勤族の家族の場合は、出身地を聞く意味がない(田中委員)。

経済産業省では、新しいガイドラインを作ろうとしている。大手のデータマッチング型サービスだけでなく、自分たち仲人も変わっていかなければならない。本籍地ではなく、出身地を聞くなど、仲人のサービスも変わっていくべきではないか(高本委員)。

とりあえずの結論として、事業者から戸籍の提出を求めることはしないが、入会希望者が任意に戸籍の提出をする場合までは排除しない。また、このルールの趣旨を徹底するため、プロフィールシート等で本籍地の記載を求めることもやめ、出身地・出生地などの記載は認めるということとしたい(原口委員長)。

(2)本人確認の方法について

本人確認については、住民票の利用が一般的であるようだが、金融機関等の本人確認においては、免許証等、写真付き身分証明書の利用が一般的である。免許証等の活用は考えられないのか(原口委員長)。

結婚相手を紹介するに当たっては、「定住性」は重要な要件の1つである。免許証は書き換えをしなければ、古い住所のままでも分からないが、住民票は、現在の住所を確認することができる(宮原委員)。

最新の住所を確認することは重要。従って、古い住民票では意味がない。取得から3ヶ月以内としてはどうか(石坂委員)。

それでは、本委員会としては、住民票等の公的証明書は、提出日から3ヶ月以内に取得したものを有効なものとして認めることとしたい(原口委員長)。

仲人・カウンセラーの教育については、基本的な知識・スキルは業態に関わらず統一化することは可能なのではないか。業態ごとに必要となる教育については、各連盟や会社ごとに行うという方法も考えられる。

2.サービス内容・料金の明確化

(1)サービス内容・料金の説明について

経済産業省で実施している、結婚相手紹介サービス業に関する苦情・相談分析においては、サービス内容や料金が分かりにくいというものが多いようだ。一部の連盟・組合では実施されているようだが、契約書面等に徴収する料金の意味・役割・趣旨等を明記してはどうか(原口委員長)。
そういう取組みは本委員会で率先して進めていくべきだと思う(石坂委員・高本委員)。
それでは、次回委員会にて、具体案を提示するようにしたい(原口委員長)。

(2)統一的な料金体系の設定について

消費者保護の観点からは、「連盟」や「組合」を名乗る以上、加盟している相談室に対して、統一的な料金体系を適用させるべきではないか(原口委員長)。

当組合の場合、様々な業態の事業者が組合員になっているため、組合内で全て一律の料金体系を適用させることは困難。ただ、組合活動として活動する意義を高めるために、3通り程度の料金パターンを作成し、組合員はいずれかの料金体系を選べるようにする試みはしている(高本委員)。
複数の連盟・組合に加盟している相談室もあるため、統一することは事実上困難。しかし、実感としては、加盟している相談室の8~9割程度は、当連盟が提示している料金体系を利用していると思う(土橋委員)。
組合員の中には、組合が提示している標準料金よりも安くしているケースもある。安くすることは決して悪いことではないのではないか(向山委員)。

当連盟は、加盟相談室の「自主自立」を謳っており、統一料金を強制することはできない(田中委員)。

 

「自主自立」を謳っているのであれば、組織名から「連盟」という名称は削除するべきではないか(原口委員)。

個別の相談室も独立した事業体であるし、また個別の企業努力は認めていくべきだと思う(石坂委員)。


3.特定商取引法の遵守

(1)中途解約の返金方法について

経済産業省の苦情・相談分析では、中途解約の際の返金ルールに関する苦情・相談も相当数あるようだ。サービスの提供開始後は「提供済み役務」の定義が問題になると思うが、より消費者に分かりやすく説明するためには、一覧表を作成する等して、返金額が一目瞭然であるような仕組みが必要ではないか(原口委員長)。
せっかく入会を決めた会員に対して、解約ルールを説明するのは、相談室も商売である以上、抵抗がある。もっとも、相談室には、一覧表を用意しているが、その一覧表を契約書面等に盛り込むのは、難しいのではないか(田中委員)。
サービス料金・内容の明確化の議論をした際に、各料金の意味を説明することにしたと思うが、その説明の中に返金される料金なのか、そうではないのかを記すようにすればよいのではないか(石坂委員)。
それでは、サービス料金・内容の説明の中で、中途解約時の扱いが分かるような工夫をすることとする(原口委員長)。

(2)契約書面について

特定商取引法では、結婚相手紹介サービス業の契約手続について詳細に定められているが(概要書面と契約書面を用意することだけでなく、書面で利用されるフォントサイズ、文字の色などの指定がある)、連盟・組合が用意している契約書面は、概ね法律の趣旨の則っていると思われる。コンプライアンスの観点からも、加盟相談室に連盟・組合の契約書面の活用を促していくべきではないか(原口委員長)。

契約書面には、料金なども記入することが多いため、契約書面の加盟相談室への普及率は、標準料金体系の普及率と同じ程度で8~9割程度ではないか。当連盟の場合、契約書面の量金襴を空欄にし、加盟相談室の裁量で記入できるようにしているため、比較的利用率は高いと思う(土橋委員)。

せっかく委員会で連盟・組合のトップが集まっているわけだし、連盟・組合の標準契約書面をチェックしてはどうか(石坂委員)。
次回委員会までに契約書面のチェックを行うこととする(原口委員長)。

4.個人情報保護

連盟・組合組織の規約には、個人情報保護に関する記述がなされているが、法律内容が記されているだけであることが多く、抽象的であるため、具体的に何をすればよいのか、何をしてはいけないのかが分かりにくい。具体的なルールを定めるべきではないか(原口委員長)。

当組合では、紙のプロフィールシートを加盟相談室に送付しているが、有効期限が切れたシートについては、本部に返却させて、本部にてシュレッダー処理をしている(高本委員)。

個人情報保護に対する対応は、まだ過渡期であり、まだ準備している段階(田中委員)。

個人情報保護法が施行されている以上、時計の針は変わっている。過渡期などという言い訳は許されない(原口委員長)。
確かにそうだが、相談室の中には、やはり個人情報保護法に対応できていないところが多いのが実態だと思う。急に難しいことを説明しても混乱を招くだけなので、できることから順番に少しずつ進めていくのが現実的だ(石坂委員)

紙のプロフィールを利用している場合と、オンラインと検索システムを提供している場合、あるいは両方を利用している場合ごとに、具体的な基準を準備するので次回委員会で議論したい(原口委員長)。

第2回会合第2回会合第2回会合

【第2回会合のまとめ】

入会時に戸籍の提出を求めることは禁止する。しかし、入会希望者が任意に戸籍の提出をする場合までは排除しない。

また、この趣旨を徹底するため、プロフィールシート等で本籍地の記載を求めている場合は、出身地・出生地などの記載に改める。

住民票等の公的証明書の提出を求める場合は、提出日から3ヶ月以内に取得したものを有効なものとして認めることとする。

会員から徴収する料金の意味・役割・趣旨等を契約書面に明記する。具体例については、サービス標準化委員会で策定する。
サービス標準化委員会に参加している連盟・組合が利用している契約書面の適法性・妥当性のチェックを行う。
個人情報の取扱ルールについては、サービス標準化委員会で具体案を策定する。